先日、「タリハでダンプトラックがシマウマをひき殺す」というニュースが報道された。
なんでボリビアでシマウマが1匹殺されたくらいで・・・とお思いかもしれないが、
小生は、この見出しを見た瞬間
「やっぱり起きてしまったか・・・・」と、なにが起こったのかすぐにピンときた。
話は今年の3月の事になるのだが・・・・・
その前に少し触れておきたいのが、
日本人の交通マナーが抜群に良い
ということである。
外国人が日本に来て何に感動したかと聞くと、
たいていのアンケートには「交通マナーの良さ」がランクインされる。
日本はドライバーのマナーもそうだが、歩行者も含め交通マナーへの意識が非常に高い。
父兄が児童の帰宅時に横断歩道で旗を持つ姿などは海外ではなかなか見られる姿ではない。
とりわけ発展途上国の交通マナーの悪さは特段指摘するまでもないが、
ここボリビアの交通マナーも他国と違わず「劣悪」である。
ドライバーに「歩行者優先」と言った概念はなく、事故が起きても、「車にひかれたほうが悪い」といった感覚だ。
多少大袈裟かもしれないが、そういった、ある種強引な運転をしなければ車線を変更することすらままならない。というのが、実際のところだ。
そんなボリビアだが
小生がスクレという町を訪れた時に実に感心した出来事がある。
それが、
「シマウマの着ぐるみを着た交通誘導」だ。
photo credit: Shorizo izo via photopin cc
シマウマの着ぐるみに身を包んだ若者たちが実に楽しそうに交差点に立って、快活に交通誘導を行っているではないか。
時には、歩行者をなぎ倒すような勢いで交差点に侵入しようとする車の前に立ちはだかり
歩行者を安全に誘導する姿は
「交通誘導」というよりは一種のパフォーマンスと表現したほうがしっくりくる。それくらい見ていて気持ちいいのだ。
photo credit: Celina Ortelli via photopin cc
photo credit: Celina Ortelli via photopin cc
この、「シマウマ交通誘導」。聞けば交通マナーを向上させるための国主導のプロジェクトらしい。
若者たちの快活な動きといい、着ぐるみといい、実に(ボリビアらしからぬ)素晴らしいプログラムだと感心した。
と、同時に、
シマウマ君達よくひかれないな・・・・
と思っていた。
そこへ、先日の「ダンプトラックがタリハのシマウマをひき殺す」というニュースである
Una volqueta atropella y mata a una “cebrita” municipal en Tarija
タリハという街で交通誘導をしていた「シマウマ」をダンプトラックがひき殺してしまったのだ。
実に残念なニュースだ。
交通マナー向上のための取り組みで交通事故がおきてしまった、
それも若い命が失われた。
最悪のケースが起こってしまったわけだが、
18歳のマリア・ロメロちゃんの死を決して無駄にはしてほしくない。